ぺーぱーふぇいす

雑記と備忘録。私はプログラマ。

Chromeに搭載される予定の広告ブロック機能とかについて

Chromeに広告ブロックが入るという2018年

結構前からだけど、Chromeにて公式の広告ブロックが組み込まれる予定だとというニュースは結構前から話題になっている。

Google、Chromeに広告ブロック機能の追加を発表。2018年の早い時期に搭載予定 - Engadget 日本版

そして最近、Chromeの試験運用バージョンである「Chrome Canary」のAndroid版にて設定画面にも広告ブロックに関する項目が現れたとか。

Android版Chrome Canaryに広告ブロックメニューが追加、2018年リリース予定 - Engadget 日本版

広告ブロック自体はChromeだけでなく、Firefoxとかにもアドオンとして既知の存在であることからするにwebサイト上の広告をブロックしようという動き自体は新しいことではない。
このニュース自体の話題性を強めるのは、よりにもよってGoogleというところなのだろう。

Googleは今でこそ色々なビジネスをやってるけど、基本的にGoogleはインターネットコンテンツの会社で、インターネットコンテンツの収益といえば広告収入であるわけで、当然Googleと広告収入は密接な関係にある。
2017年現代において、PCやスマフォを通して提供されるありとあらゆる無料のサービスが無料たる所以は広告による恩恵であり、Googleはその中でもひときわ存在感を放っている。

ニュースの見出しだけ見れば、そんなGoogleが自分の商品である広告を除外するのかってな感じではあるのだけど、実際はそんな極端に「Chromeを通して見たwebから広告をすべて抹消する」的な同族浄化作戦みたいな話ではない。例えば、テキスト広告とか小さなバナー広告とかは生き残りそうだ。
というのも今回のGoogleがブロックすると言う広告の対象になるのは、ユーザが煩わしさを感じる広告に該当するものらしく、その基準はFacebookなんかと一緒に決めているようだね。ビッグブラザーなんて呼ばれるIT企業あたりで。

ちょっと昔の広告

相変わらず中高生と団塊世代のITリテラシーは壊滅的にヤバイけど、それでも昔より遥かに(具体的に言うと10年くらい前)と比べれば誰彼かもがwebサイトを観るようになったと思う。その結果、web広告に触れる機会も当然増え、そしてあれやこれやと広告は進化、繁栄していった。

ここで言う広告の進化と繁栄というのはハッキリ言って良いものではなく悪いものだ。
どのように悪いかというと、めんどいので箇条書きにする。

  1. 画像か動画で提供され、テキストよりも遥かに情報量が多く、通信量を圧迫する
  2. 故に簡単にサイト本来のデザインを損ねる
  3. 過剰広告まがいの釣りみたいな内容で注意を引くことに必死
  4. 誤クリックを誘うような動きを持つ

などなど。
「悪質な広告なんて昔のYoutubeにもあったじゃん」なんて言われるけど、総合的に考えると今のほうがより有害に進化していると思う。
そして単純に「繁栄」と表現したのは、どこもかしも貼られているから。単純に量が増えた。それだけサイトが増えたってことだと思うけどね。

私が中学生だとか高校生だかのときに、「自分のサイトを作ろう」と考えた。
その時、「HTMLを勉強してwebサーバにアップロード」とかなんか糞めんどくさそうだなと思ってた時に@wikiに出会った。
まだそんなにwikiを利用した攻略サイトとかもそんなに多くなかった時代だったけど、とにかくもう@wikiはあった。ちょうど@wikiのトップにも「無料でホームページが作れる」とか「HTMLの知識必要なし」的な文句でキャッチしてたしね。
しかしまー当時は「有料アダルトサイトの請求」という言葉に過剰にビビっていた私は、当然webコンテンツに対して「これは無料なのだろうか、有料なのだろうか、ヒェ~」って感じで地雷原を歩くがごとくネットの樹海を散策していた。
当然、@wikiのうたう無料というパワーワードに「何か裏があるんじゃねぇの?」的な警戒をしつつ、いろいろQ&A的なの読んでたら「広告が表示されるからそれでウチらは稼いでます。だから無料です」的なことが書いてあり、幼いながらに私は「なるほどそんな商売もあんのやな」と思ったわけです。そして私は安心して@wikiで目的不明のサイトを作り、放置しました。

それくらいの時代からまわりはケータイ小説だの、ブログだの、プロフだの、mixiだのとにかく様々なサービスが無料で提供されていて当たり前の時代に突入。
高校生のボクはガラケーを握りしめ、iモードでモバゲーとかやりながら(考えてみればこの時から課金モデルも成長しつつあったな...)「広告すげー」って鼻水を垂らしていた。ユーザは無料でサービスの恩恵を受けることができ、サービス運営者は広告費が入るからまさにwin-winな関係。
まだこの時は単純にガラケーで観るiモードサイトは通信量少ない貧弱なサイトだったし、PCで観るサイトもまだそんなに表現豊かな感じではなかったから広告もそんなに煩い感じではなかった。
そんなこんなで広告費によるサイト運営と基本無料で提供されるサービスに世は情報化社会とか誰かがweb2.0とか意味のわからんことを言い出し、晴れやかでカオスな情報社会の幕開けかに思われた。

さらなる進化と汚染

ただ、やっぱりスマフォの時代が来るともうこれよ。今の現状よ。
ありとあらゆるコンテンツは過剰な広告に侵され、無料の代償はハッキリと感じ取れるストレスとして置き換わったわけですわ。
これだけ大きな市場となったweb広告業界はもうとにかくクリック数が欲しくてたまらない。高速化したインターネットに画像を載せようが、動画を載せようが、それを通信するユーザのことなんかとにかくクリックしてくれれば知ったこっちゃないという貪欲なビジネスモデルに変貌した。

しかし、それがいくらか過剰かつ害悪に思える広告でも、広告自体は必要なものだ。様々なwebサイトが無料で観ることができ、そして面白いコンテンツを提供できるのはひとえに広告収入のおかげである。
そのため、稼ぐ側ときっちりとそうした現状を踏まえたユーザから「広告はブロックされるべきではない」という広告ブロックに対する反論も生まれる。
だがしかし、結果としてやはり今時の広告はウザすぎたため、その悪性進化の果てに裁かれる時が来たのではないかなぁと思う。

浄化されよ、やや横暴でもいいから

Googleがやや横暴ながらこうした手段を取ることに批判があるのも当たり前だろう。
大雑把に言えば、「なんでお前らが勝手に決めんねん」っていうこと。
ただ、今の現状ではこうしたウザすぎる広告で溢れたwebの現状を変える力を持つのがGoogleくらいなもんだし、個人的には大きなChromeシェア、もとい「インターネットの入り口」を持つという力にモノを言わせて一度Googleがweb広告全体をどついてくれれば良いと思う。

そうすれば、一度広告業界全体が一度ユーザビリティについて考え直す良い機会になると思うし、浄化もされると思う。そしてそれを望む。