ぺーぱーふぇいす

雑記と備忘録。私はプログラマ。

「奇書の世界史」を読んだ

帯とか、アオリはすごいゴシップな感じなんですが、この世に存在する「奇書」をかなりしっかりと紹介している本です。
おすすめなので紹介。
もちろんヴォイニッチ手稿もあるよ!👽

この本は「世界の奇書をゆっくり解説」という動画シリーズの書籍化になります。
奇書という中二病ゴコロをくすぐられる題材もさることながら、雰囲気や投稿者の文章力が凄まじく引き込まれるシリーズでした。

YouTube版はここ

「奇書」という言葉を聞いて個人的に思い浮かべるのは、ヴォイニッチ手稿ドグラ・マグラでしょうか。
しかし、このシリーズで扱っているのは後者のドグラ・マグラのような、作者自身が奇書として生み出したような生まれながらの奇書ではなく、下記に抜粋した著者の言葉が示す「奇書」となってしまった本が紹介されています。

私はむしろ、狙って「奇書」としては書かれていない書物に興味をくすぐられます。作者自身の計らいを超え、いつの間にか「奇」の1文字を冠されてしまったもの。あるいは、かつて「名著」と持て囃されたのに、時代の移り変わりのなかで「奇書」の扱いを受けるようになってしまった本──。つまり、数奇な運命を辿った書物です。

三崎 律日. 奇書の世界史 歴史を動かすヤバい書物の物語 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.32-36). Kindle 版. 

この書籍のすごいところは、動画の雰囲気はそのままに書籍化されているというところ。
現代の自分たちもいずれ「奇書」になりうるものを当たり前に読んで、常識としているのではないかというようなこちら側への問いなど、「変な本があるんだなぁ」とか「当時の人は馬鹿だなぁ」とかそういう短絡的な所感で終わらないところが魅力。

久々にKindleでコミック以外を読んだので、読了記録として。