ぺーぱーふぇいす

雑記と備忘録。私はプログラマ。

技術的にアレな職場から転職する気持ちを高めてくれるエントリ

このブログでも何度か経験した職場とかの愚痴を書いている。
私も今居る職場が嫌になったので転職活動しているんだけど、転職が初めてだったりするとリスキーな感じがしてなかなか一歩を踏み出せないかもしれない。
特に民主党(現:民進党)政権の時はロクな経済政策もなく、就職氷河期に突入してたから、そこに就職活動がかぶった人とかは苦労して手に入れた職を手放したくないとかあるかもね。

でも、「もうこんな技術的にアレな職場は嫌だぁ!」という気持ちが積もっているなら、そういう気持ちを膨らませて自らを転職へと奮い立たせるのもいいかもしれない。

というわけで、エンジニアの憂鬱というか、会社に対するヘイトを高めてくれそうなエントリの紹介。

優秀な技術者を追い出してしまう方法

qiita.com

Qiitaのエントリ。
基本的に今の職場の技術的な環境に不満が溜まっているのならば、そうした不満はこの記事に大体まとまってると思う。
「そうそう! そうなんだよ! こんな感じでウチもクソだ!」って具合。

例えば、レガシーな開発形態がまかり通っていて、「Git? 何それ?」とかっていうレベルのSIは意外と多い。
「Gitを知らないSIなんて見たことねーよ」っていうツッコミもあるとは思うけど、たぶんそれが正しい。あなたが見てきた世界こそが正しい。
しかし、規模が大きくネームバリューのある会社でも意外とこういうレガシーなところは多く、変なマネジメントを続けている会社は多い。
某F社と仕事した時、ソースはC#なのに「ステップ数によるバグ出現率がどーだら」と言い出した時は「コイツらマジかよ……」とビビりました。

このエントリを呼んで、「あーウチもそうだわー」と思っていると自然と転職サイトをググる気力につながるかもしれない。

YRP 軍曹が携帯電話開発の現状を語る

lolipop-teru.ssl-lolipop.jp

読み物。
昔、2ちゃんねるプログラマ板に投稿されたお話。
スレ主もとい主人公「軍曹」が、孫請だか何次請だかくらいの請負で、携帯電話のミドルウェアだかの開発要員としてアサインし、そこで経験したデスマーチについての語るお話。
次々と離脱していく部下たち。何もかもがおかしい開発環境。終わりの見えない日々。

軍曹以外のYRP経験者による「この話は少し盛っているのでは?」という声もあるけど、それでも読み応えのある文章から伝わってくる現場の"クソさ"が胸に訴えかけてくるものがあります。

レスのタイムスタンプは2004年頃なので、今となってはずいぶん古い話です。
こんな過酷なデスマーチもイマドキ無いとは思いますが、SIの求人には「残業は月20h以内です!」とか普通に言っちゃう企業も居るので、日本IT業界の闇は深い……まだここらへんの感覚が正常じゃない企業が多いと思います。残業は無いのが当たり前なんだよなぁ……

ちなみに、ここで軍曹たちが直面した問題に対して「こういうアプローチもあったのでは?」という趣旨のエントリもあります↓。

qiita.com

これはこれでオススメです。
便利なツールを導入することで打開できる状況というのはいくつかあります。まあ、ここまで末期だと大体「そんなもん導入している暇がない」とか上に握りつぶされることが多いですが。

気分はstatic! 実はオブジェクト指向ってしっくりこないんです!

el.jibun.atmarkit.co.jp

エンジニアライフという技術系情報サイトに投稿された2010年のコラムです。
執筆された方は「みながわ けんじ」氏。通称、staticおじさん

現代のおけるダークサイドプログラミング(クラッキングという意味ではない)というか、こう……全然共感できないコラムです。
まあ、ざっくり言うと「この人、オブジェクト指向をうまく理解していないんじゃ?」っていう感じで、とにかくstaticを乱用するスタンスをとっています。つまり、気分はstatic!
ある意味思考が前時代的な言語の考え方に毒されて止まっている疑いがあるので確かにそのエントリのタイトルどおり「気分はstatic(静的)」なのかもね。

まあ、コーディングにおける思想とかは個人によって違うとは思うのですが、staticおじさんの場合はオブジェクト指向に対するメリットを述べてくれる人とか、このコラムに対するツッコミを書いた人に対して、オブジェクト指向言語の仕様に基づく論理的な話で反論できなかったことや、この手の議論に関係のない学歴バトルを挑んだりしたこともあり見事に炎上しました。

今はコラムも加筆されて比較的マイルドになったそうです。それでも香ばしいですが。
だいたい「staticおじさん」でググればかつての戦いの痕跡を見つけることができます。

そんなに最近の話じゃないですが、今でも「オブジェクト指向言語で非オブジェクト指向な書き方をする」という人間は居るので、そういう人達が何を考えているのか分かる貴重な文献でもあります。
ちなみに、staticおじさんはオブジェクト指向がしっくり来ていない人っぽいわけすが、だからといって関数型に精通しているというわけでもなさそうです。

MVCがなぜ間違っているか?

https://archive.fo/rtcek

Qiitaに投稿されていたエントリです。Qiita本家では見れなくなっており、上記リンクは魚拓的なやつです。
タイトルからしてエッジが利いています。
執筆されたのは生島 勘富氏。通称、SQLおじさん。主張的には

このあたりからしてなんかもうstaticおじさんから既視感を覚えます。まあ似たような感じです。
staticおじさんがstatic乱用者なら、彼はSQL乱用者です。

タイトルこそMVCに対するアンチテーゼのような始まりになっていますが、大体言っていることは「全部ストアドにやらしちまえよ!」って感じ。

ちなみに、SQLおじさんはQiitaでアカBANされてます。Qiita本家にアクセスできないのもそのせいです。草生えます。
非常に話題になり関連するツイートも多く、下記のようにtogetterにまとめられちゃいました。

togetter.com

個人的にこの炎上騒動の中で出たコメントというか、ツッコミというかで

「心臓と肺は近すぎるから人間はバラバラにしてしよう!」並のロックさ

という発言が非常に的を得ていて面白いのでお気に入りです。
なんでこの業界って「適材適所」っていう感覚がぶっ壊れる人が多いんですかね?
いろいろとSQLおじさんにツッコミを試みると、「セミナーでお話しましょう」とリアルでの議論を希望してきます(いや、コメント欄で既にQEDなんですが……それは……?)
こんな面倒なことにリアルで関わりたい人などいないので、SQLおじさんのセミナーに参加してリアルバトルした人は少ないでしょう。たぶん。

ちなみにフォローしておくと、SQLおじさんのSQLスキルは普通に高いっぽいです。

ただ、個人的にストアドに処理の大部分を委託することは危険かなーと思います。

なぜVBC#と比べて駄目なのか

crapp.hatenablog.com

「負け犬プログラマーの歩み」というブログのエントリです。
こちらはstaticおじさんやSQLおじさんとは違い、ちゃんとしたディスりです。なんだ「ちゃんとしたディスり」って。

私も誰かと話す時、
VB.NETC#も、機能的には同レベルのことを達成できますよ」
と言いつつ、VBで開発しようという選択はしません。適当にC#を優先して誘導します。じゃないと吐いちゃいます。

ただ、私がお世話になったところでは

偉い人「VB6の経験者が多いから、言語はVB.NETで!」
私「」

ということも少なくありませんでした。
よく旧システムの改修とかで、元がCOBOLだったりVB6とかだったりで動いていると、当時の開発者とかがリーダーになって、なんか馴染みやすそうなVB.NETになっちゃうとかそんな流れでしょうか。

まあ、言語についてはある程度大人の対応で片目をつぶるとしても、大体VBが選択されると「ハンガリアン記法」とか「修正前のソースはコメントとして残す」とかみたいな古代の風習もついてくることが多いです。
このエントリでもそういう、VBとその周りのレガシーな環境についてディスっており、経験則から非常に共感できます。

似たような環境を経験したことがあると共感でき、現状が当てはまるともれなく転職に対するモチベが上がるエントリでしょう。

以上

いじょー、いろいろなエントリを紹介しました。
IT業界(とくにSIer)で働く人が転職したくなる不満とえば、給与面などもさることながら、

  • レガシーで古臭く、頭の固い人たちに押さえつけられた開発環境が嫌だ
  • 残業ばっかりでブラックな職場だ
  • 悪い意味でぶっ飛んだ思想をもった同僚や上司に振り回される

といったことじゃないでしょうか。
まあ、辞めたくなる原因としては人間関係とかもあるとは思いますが、それはまあ別として。

転職はリスキーですが、より一箇所にとどまると周りが見えなくなることがあります。
こうした「負のオーラ」をまとったエントリを読むことで、「ああ自分は今こんな位置に居るんだな」という認識を持つことは重要です。

特に悪い環境に居るという状況においては、外からの情報が入ってこないクローズドな場所であることも多く、自分が一体どのくらいの立ち位置なのかもわからず、感覚が麻痺したりしてきます。
例えば「なんかPythonとか流行ってるけど、それはネットとか海外だけの話だろう」とかいう感覚に陥ったりすることです。私が「Pythonとか研究しません?」みたいなことを言った時、「そんなベンチャーじゃあるまいし」みたいなことを言われた時は、心の中が夏の夕暮れみたいな感じになりました。