ぺーぱーふぇいす

雑記と備忘録。私はプログラマ。

朝会とか要る?

オフィスワーカであれば朝会は不要だと思う。

一番要らない儀式。
朝会を必要だと思う、あるいは現在実施しているという職場の主張は以下に当てはまる。

大体こんなかな。 今回ディスる朝会とは、基本的に毎朝に近い頻度で行われていて、職場のメンバほぼ全員が参加しているものとする。

スピーチをしてメンバのコミュニケーションを図る

一番アホみたいな理由だから一番最初に書いた。
基本的に朝会が朝のスピーチなるものを行う場合、それは組織における文化的なものであることが多い。
昔、職場の誰かが「朝のスピーチしよう」と言い出して、それがずるずると継続されているという感じ。このスピーチの形態も様々で、課長とか部長に該当する人が毎朝やるとか、メンバ全員に対して一日ごとにスピーチの当番とか係的な役割が順番で回ってくるとか。
こうしたスピーチが始まる理由というのは、だいたい二通りで「言い出した人が話好き」か「コミュニケーション能力を上げる為」とかだ。いずれもメンバ間でのコミュニケーションを図るという目的を持って(あるいは後付けされて)いる。

私が思うにスピーチは能力であると思う。
それが天性によるものか訓練によるものかはさておき、人の気を引くスピーチができるのは評価される能力だ。
できれば身につけたい能力であり、発揮できるのであれば是非発揮させて仕事に活かしたいものだが、毎朝メンバに対してやるべきことではない
いかにうまいスピーチであったとしても、基本的にそれは話す側と聴く側が発生する「作業(仕事)をしていない時間」であり、 貴重な労働時間を削ってまでやることではない。
たまに、「客先とのスムーズな会話能力をつける」とか「今の若者はコミュニケーション能力が低いから」とかそんなようなアホみたいな妄想をして、「毎朝スピーチすればコミュニケーション(会話)能力が高まるだろう。これはそういう訓練だ」という理由付けがされていることもある。
だがそれはせいぜい自己啓発の範囲だ。たかだか個人の能力訓練にメンバ全員の労働時間を削って投入して浪費するべきではないし、そんな訓練が必要なほど残念なコミュニケーション能力の人間は個別に指導を入れるべきである。強調するようだが、毎朝メンバの労働時間を削ってまでやることではない。
だが、こうした訓練的な意味合いを持つ(あるいは持たせて)スピーチを行っている場合、「そんなことを言うが、実際に朝のスピーチはそうした役に立った」だの言う人も居る。しかし、それはあなたが向上心の高い素晴らしい人であるが故で、大体の人はそんなに向上心が高くない。本業と多少離れた物事となれば、大抵の人間はその物事に対して身の入り方はさらに悪くなるものである。

こうしてスピーチを訓練扱いして、最もらしい理由をつけて(あるいは理由をつけた気になって)続けていても結局は形骸化するのがオチだ。
そもそもコミュニケーション能力は明確に数値化して表せる能力ではないし、組織の中でそれをスキルとして承認するような仕組みなんて大抵存在しないし、コミュニケーションの良し悪しはそもそも人によって感じ方が違う。
そんな中、毎朝行われるメンバのスピーチに対して、聴いている側がスピーチしたメンバに適切なフィードバックを行ってメンバの高い低いすらの基準もあやふやなコミュニケーション能力の向上とやらに熱心に助力を捧げるかというと答えはノーだ。スピーチに対してそれを聴く側が何かフィードバックを与えられるかと言えば、せいぜい、「もっとこう話したほうが良いよ」「もっと大きな声で」なんて簡単なアドバイスを言うことができるかどうかが関の山ってところで、毎朝続けばそれすら継続できるかどうかすらあやしい。逆にもっと深いアドバイスを行う必要があるのであれば、その時点でやはり個別に会話指導や言語指導をすべきだ。

こうした訓練と称した毎朝のスピーチがどうなるかオチを当ててみよう。
結局は「ただやるだけ」になる
スピーチをするという行為だけが残り、コミュニケーション能力がどうこうという考えは無くなるし、メンバ全員の時間を食う割りに得られるものは何もないかあまりにも少ない。
スピーチという行為だけが残るので、メンバはネタ切れにならないように毎朝ネタを探す。それはコミュニケーション能力を向上させるためでなく、スピーチをするためになり、いつの間にか「コミュニケーション能力を向上させる」ための手段であるスピーチが目的そのものに成り代わる。意味がねえんだよバーカ。

朝会でメンバの予定を把握する

朝会でメンバが各自の予定を報告していて、それを重要視している場合について。 建設現場や一日かけて大きな作業を複数人のメンバで遂行するといった場合は、一日の全体の流れを把握する"打ち合せ"としてメンバの作業内容を予定として把握する必要があるかもしれないけど、それ以外は基本的に毎朝必要なことではない。

この予定把握を朝会で求めている組織は以下のような問題を抱えている場合がある。

  • タスクやスケジュールを公開/共有できる良いツール(グループウェアとか)がない
  • ツールはあるのだけど利用が定着していない
  • 組織として人員への役割、タスクの割り当てが下手
  • クライアントからの問い合わせがほぼ電話応対ベースである

グループウェアが導入されていない職場という時点で現代らしからぬ感じがするけど、それならばそれなりにホワイトボードを見える位置にはっつけてメンバが予定を書いておくとかでも良い。
どうせ一日の各メンバの予定なんてその都度変わる。急な来客とかトラブルの発生とかもろもろの理由で変わるので、何時でも共有できるリアルタイムな予定表をデジタルであれアナログであれ共有すべき。
そういったツールがあるのに定着していないのであれば、メンバの意識が低いか、そのツールがクソ(起動するまでに時間がかかるとか)である可能性が高い。
口頭ベースでの連絡に頼り、グループウェアなりホワイトボードの予定表を使わない組織は、「その場で伝えるべき人員が欠けていた場合はどうするのか?」「予定を伝えた相手が忘れてしまった場合は?」といったとにかく情報がきちん残るだけで解消できるこれらの問題を理解していないか軽微にとらえている

また、こうした朝会で各人の一日の在席や不在を把握する必要がある組織というのは、分業がうまくできていない可能性がある。
例えば「○○さんじゃないとこの件はわからない」とか「○○さんじゃないとできない」とか。悪い意味でメンバに技術的、知識的な偏りがあり、一定の能力が突出している特定の人員にけっこうまずいレベルで負荷がかかっているという別の問題を抱えている可能性がある。
特定の人員の在席情報を強く把握したがる組織というのはこういう傾向がある。特定の人員に依存しているため、在席/不在の状況を他のメンバが気にしているというところだ。
これはそもそも改善しなければいけない問題だ。

そして、クライアントからの問い合わせが電話ベースであるというのもこの予定把握に関係することがある。
よくあるのはその職場の下っ端に該当する新人ちゃんとか、いわゆる若手に該当するメンバが外線の代表電話をまかされていて、電話で問い合わせしてくる客が求める担当の人へ取り次ぐ。この際、担当者が不在であるかどうかによって電話での応対内容が変わるので、メンバの予定は把握しておきたいというものだ。要するに電話番の為にあるということ。
話が前後するが、基本的にはこれもグループウェアのスケジュール管理/共有機能により、解決することができる。この機能の呼び出しが遅かったり、見づらかったりするようなクソでないことを祈る。

贅沢を言えば、クライアントからの問い合わせは電話ベースではなく、担当者全員に送信されるグループアドレスを窓口としたメールベースであるべきだ。
「仕方なく電話問い合わせを行っている」というのも十分承知できるが、果たして電話の問い合わせによって証跡が残るか、不在の担当者をめぐる解決までの遅延が発生していないか、受話器を持つ手と会話に意識を奪われて集中力を乱されていないか、それらは決して軽微ではないコストがかかっている。

諸連絡のために必要

前述した理由の中で比較的これはマシなほうかもしれない。
例えば、「☓☓部でウイルス付きの不審なメールを受信したと報告がありました。わかっているとは思いますが、不審なメールはくれぐれも開封しないように」「本日、警報装置のメンテナンスがあります。メンテナンス業者の来訪があるので留意してください」などなど。
これくらいは別にいいかもしれない。本当のことを言えば、グループウェアにある掲示板機能やメンバに対する社内メールの送信によってお知らせするのが一番良いが、上述した諸連絡は注意喚起に該当する報告である場合が多く、それらを意識付けするためには改めて口頭で伝えることに効果がある。
ちなみに、こう説明すると「先ほどの『メンバの予定把握』も諸連絡に含まれるのではないか」と言う人が居るのだけど、「要らない理由についてはさっき十分説明したでしょ」と言いたい。

だが、まあ毎日そうした諸連絡が必要なわけないので、結局必要なのはその都度における諸連絡であり、毎朝の朝会ではない。

ざっとここまで私が思う朝会が不要である理由を述べた。
平たく言うとダルいんだよね、アレ。あと、こうした朝会ですら致命的に物事を報告するのが下手糞な人間が居て朝一番からイライラすることがある。それにオチの行方不明なスピーチをされた時はイライラが倍増だ。
私の職場には未だに朝会なるものが残念ながら存在するが、スピーチは抹消された。このまま朝会も抹消されますように。